ピントの合わせ方を設定する(フォーカス)
フォーカスモードを切り換える
フォーカスモードセレクターをAFに合わせるとオートフォーカス、Mに合わせるとマニュアルフォーカスに切り替わります。
ファインダー撮影時、このカメラは51点のフォーカスポイントを使用してフォーカスを合わせます。
AFモードを変更する
AFモードでは、オートフォーカス時のピントの合わせ方を選べます。
ファインダー撮影時
項目 |
内容 |
|
---|---|---|
|
[ ] |
静止している被写体はAF-Sで撮影し、動いている被写体はAF-Cで撮影します。 |
|
[ ] |
静止している被写体の撮影に適しています。シャッターボタンを半押しすると、ピントが合った時点でフォーカスがロックされます。ピントが合っていないときはシャッターはきれません。
|
|
[ ] |
ファインダー内のピント表示(●)がいったん点灯してもフォーカスロックはされず、シャッターをきるまでピントを合わせ続けます。スポーツなど動きのある被写体の撮影に適しています。シャッターボタンの半押しを続けると、被写体が動いている場合には予測駆動フォーカスに切り替わり、被写体の動きに合わせてピントを追い続けます。
|
AFモードをAF-Cに設定しているときやAF-Aに設定していてAF-Cで撮影しているときに、シャッターボタンを半押しするか、AF-ONボタンを押してピントを合わせる場合、被写体が近づいてきたり遠ざかっていくのをカメラが認識すると、自動的に予測駆動フォーカスに切り替わります。予測駆動フォーカスが作動すると、シャッターがきれる時点での到達位置を予測しながらピントを合わせ続けます。
ライブビュー撮影時
項目 |
内容 |
|
---|---|---|
|
[ ] |
静止している被写体はAF-Sで撮影し、動いている被写体はAF-Cで撮影します。
|
|
[ ] |
静止している被写体の撮影に適しています。シャッターボタンを半押しすると、ピントが合った時点でフォーカスポイントが赤色から緑色に変わって点灯し、フォーカスがロックされます。ピントが合っていないときはフォーカスポイントが赤に点滅してシャッターがきれません。
|
|
[ ] |
スポーツなど動きのある被写体の撮影に適しています。シャッターボタンの半押しを続けている間はフォーカスロックはされず、被写体の動きに合わせてピントを追い続けます。
|
|
[ ] |
カメラは常に被写体の動きや構図の変化に合わせてピントを合わせ続けます。シャッターボタンを半押しするとピント合わせを行って、ピントが合った時点でフォーカスポイントが赤色から緑色に変わって点灯し、フォーカスがロックされます。
|
AFモードの変更方法
AFモードを設定するには、AFモードボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回します。
-
ファインダー撮影時は、表示パネルおよびファインダー内表示にAFモードが表示されます。
-
ライブビュー撮影時または動画撮影時は、画像モニターにAFモードが表示されます。
AFエリアモードを変更する
AFエリアモードでは、オートフォーカス時にフォーカスポイントをどのように選択するか設定できます。
ファインダー撮影時
項目 |
内容 |
---|---|
[ ] |
フォーカスポイントを自分で選べます( フォーカスポイントを自分で選ぶ )。選んだフォーカスポイントだけを使ってピント合わせをします。
|
[ ]/[ ]/[ ] |
撮影者が選んだ1つのフォーカスポイントから被写体が一時的に外れても、周辺のフォーカスポイントからのピント情報を利用してピントを合わせます。AFモードがAF-AまたはAF‑Cの場合に選べます。
|
[ ] |
51点全てのフォーカスポイントを使って被写体を追尾します。選んだフォーカスポイントで被写体にピントを合わせると、シャッターボタンを半押ししている間は被写体の動きに合わせて、フォーカスポイントを自動的に切り換えて被写体にピントを合わせ続けます。AFモードがAF-AまたはAF‑Cの場合に選べます。
|
[ ] |
撮影者が選んだフォーカスポイント(グループ)を使ってピント合わせをします。広い範囲で被写体をとらえるため、誤って背景にピントが合ってしまうことが起こりにくくなります。
|
[ ] |
カメラが自動的に全てのフォーカスポイントから被写体を判別してピントを合わせます。
|
表示パネルおよびファインダー内表示の各AFエリアモードの表示は次のようになります。
AFエリアモード |
表示パネル |
ファインダー内表示 |
ファインダー内表示(設定時) |
---|---|---|---|
[ ] |
|||
[]※ |
|||
[]※ |
|||
[]※ |
|||
[ ] |
|||
[ ] |
|||
[ ] |
実際にファインダーに表示されるフォーカスポイントは1点のみです。ピント情報として利用する周辺のフォーカスポイントの数を選択できます。
AFエリアモードを[
]にすると、半押ししていったんピントが合った時点で、選んだフォーカスポイント周辺の色を記憶します。そのため、被写体の色が周囲の色と似ていたり、半押し開始時の被写体が小さいと、うまく動作しない場合があります。カスタムメニューa6[
]を[ ]に設定すると、マルチセレクターで選べるフォーカスポイントの数が約1/4になります。フォーカスポイントを素早く移動させることができます。AF-S/AF-Iテレコンバーターを使用して合成絞り値がF5.6より暗い場合、AFエリアモードを[
]または[ ]に設定していても、[ ]に変更されます。ライブビュー撮影時
項目 |
内容 |
|
---|---|---|
3 |
[ ] |
[ ]よりも小さいフォーカスポイントを使って、より狭い範囲にピンポイントでピントを合わせることができます。
|
d |
[ ] |
撮影者が選んだフォーカスポイントでピント合わせを行います。
|
f |
[ ] |
[ ]よりも広い範囲(エリア)で被写体をとらえてピント合わせを行います。
|
g |
[ ] |
|
e |
[ ] |
撮影者が選んだフォーカスポイントでピント合わせを行います。選んだフォーカスポイントから被写体が一時的に外れても、周辺のフォーカスポイントからのピント情報を利用してピントを合わせます。
|
h |
[ ] |
カメラが自動的に全てのフォーカスポイントから被写体を判別してAFエリアフレーム内でピントを合わせます。 |
-
次の被写体はオートフォーカスでピントが合わない場合がありますので、ご注意ください。
-
画面の長辺側と平行な線の被写体
-
明暗差の少ない被写体
-
フォーカスポイント内の被写体の輝度が著しく異なる場合
-
イルミネーション、夜景などの点光源や、ネオンなど明るさが変化する被写体
-
蛍光灯、水銀灯、ナトリウム灯などの照明下で、画面にちらつきや横縞が見える場合
-
クロスフィルターなど、特殊なフィルターを使用した場合
-
フォーカスポイントに対して被写体が小さい場合
-
連続した繰り返しパターンの被写体(ビルの窓やブラインドなど)
-
動く被写体
-
-
オートフォーカス作動中は、画面の明るさが変わることがあります。
-
ピントが合わなくてもフォーカスポイントが緑色で点灯する場合があります。
-
AF-SやAF-P以外のレンズやテレコンバーターを使用した撮影では、充分なピント精度が出ない場合があります。
[
]設定時を除き、フォーカスポイント中央に点が表示されているときは、フォーカスポイントが画面の中央にあることを示しています。カスタムメニューa6[
]を[ ]に設定すると、マルチセレクターで選べるフォーカスポイントの数が約1/4になります。フォーカスポイントを素早く移動させることができます。[ ]および[ ]の場合は[ ]に設定しても選べるフォーカスポイントの数は変化しません。AFエリアモードの変更方法
AFモードボタンを押しながら、サブコマンドダイヤルを回すとAFエリアモードを設定できます。
-
ファインダー撮影時は、表示パネルおよびファインダー内表示にAFエリアモードが表示されます。
-
ライブビュー撮影時または動画撮影時は、画像モニターにAFエリアモードが表示されます。
顔認識AFと瞳AF
AFエリアモードが[
]の場合、顔を認識する顔認識AFを使って撮影できます。ライブビュー撮影で静止画を撮影するときは、人物の顔と瞳の両方を認識する瞳AFで撮影することもできます。顔認識AFおよび瞳AFの設定は、カスタムメニューa5[ ]で行います。ファインダー撮影時
-
[
]または[ ]に設定していると、カメラが人物の顔を認識した場合、認識した顔を優先してピントを合わせます。 -
カメラが顔を認識した人物が一時的に横や後ろを向いたりしても、追尾してフォーカスポイントが移動します。
-
再生時にJボタンを押すと、ピントを合わせた顔を中心に画像が拡大されます。
ライブビュー撮影時
-
[
]に設定していると、カメラが人物の顔を認識した場合、顔に黄色の枠(フォーカスポイント)が表示されます。静止画撮影時に瞳を認識できるときは、左右どちらかの瞳に黄色の枠が表示されます。 -
[
]に設定していると、人物の顔を認識した場合、顔に黄色の枠が表示されます。 -
AFモードをAF-Sに設定しているとき、またはAF-Aに設定していてAF-Sで撮影しているときに、ピントが合うとフォーカスポイントが緑色で点灯します。
-
複数の顔や瞳を認識した場合は、フォーカスポイントにeおよびfが表示されます。マルチセレクターの42を押してピントを合わせたい顔や瞳を選ぶことができます。
-
カメラが顔を認識した人物が一時的に横や後ろを向いたりしても、追尾してフォーカスポイントが移動します。
-
再生時にJボタンを押すと、ピントを合わせた顔や瞳を中心に画像が拡大されます。
-
動画撮影時は瞳認識を行いません。
-
次のような場合は、瞳AFおよび顔認識AFが正常に行われないことがありますので、ご注意ください。
-
顔が画面に対して大きい/小さい場合
-
顔が明るすぎる/暗すぎる場合
-
メガネやサングラスをかけている場合
-
髪の毛で目や顔が隠れている場合
-
人物の動きが大きすぎる場合
-
ターゲット追尾AF
ライブビュー撮影時にAFエリアモードが[
]の場合、フォーカスポイントを指定した被写体に追尾させることができます。-
Jボタンを押すと、フォーカスポイントの形が変わってターゲット選択画面になります。
-
追尾させたい被写体にフォーカスポイントを合わせ、Jボタンを押すかAF-ONボタンを押すと被写体の追尾を開始し、被写体の動きに合わせてフォーカスポイントが移動します。
-
もう一度Jボタンを押すと追尾を終了します。
-
W(Y)ボタンを押すと、ターゲット追尾AFを終了します。
次のような場合は、追尾動作が正常に行われないことがありますので、ご注意ください。
-
被写体の色、明るさが背景と似ている場合
-
被写体の大きさ、色、明るさが著しく変わる場合
-
被写体が大きすぎる/小さすぎる場合
-
被写体が明るすぎる/暗すぎる場合
-
被写体の動きが速すぎる場合
-
被写体が隠れたり、画面から外れた場合
フォーカスポイントを自分で選ぶ
AFエリアモードが[
]以外の場合、フォーカスポイントを自分で選ぶことで、構図を自由に変えられます。-
フォーカスポイントロックレバーのロックを解除する
フォーカスポイントロックレバーを回してIの位置に合わせるとロックが解除されます。
-
半押しタイマーがオンのときに、マルチセレクターでフォーカスポイントを選ぶ
-
ファインダー撮影時はAFエリアフレーム内の51点を選べます。
-
ライブビュー撮影時は画像モニター全画面の任意の位置にフォーカスポイントを移動できます。
-
Jボタンを押すと、中央部のフォーカスポイントが選ばれます。
-
フォーカスポイントロックレバーを回してLの位置に合わせると、フォーカスポイントをロック(固定)します。
-
ピントを合わせたい被写体がいずれのフォーカスポイントにも入らないときや、オートフォーカスが苦手な被写体を撮影するときには、Aボタンを押してピントを固定(フォーカスロック)して撮影することもできます( AEロック/フォーカスロックの方法 )。
次のような被写体では、オートフォーカスによるピント合わせができずにシャッターがきれなかったり、ピントが合っていなくてもカメラがピントが合っていると判断し(ファインダー撮影時にピント表示(I)が点灯、またはライブビュー撮影時にフォーカスポイントが緑色で点灯した状態になり)、シャッターがきれることがあります。このような場合は、マニュアルフォーカスでピントを合わせるか、フォーカスロックを利用してください。
-
白壁や背景と同色の服を着ている人物など、被写体の明暗差がはっきりしない場合
-
オリの中の動物など、フォーカスポイント内に遠くのものと近くのものが混在する被写体
-
ビルの窓やブラインドなど、連続した繰り返しパターンの被写体
-
太陽を背景にした日陰の人物など被写体の明暗差が極端に異なる場合
-
遠くの建物を背景に近くの人物を撮影する場合など背景に対して被写体が小さい場合
-
一面の花畑など、絵柄が細かい場合
マニュアルフォーカスで撮影する
使用するレンズの種類によって、ピントを手動(マニュアル)で合わせるときの設定が異なります。各レンズでのマニュアルフォーカスの設定は次の通りです。
-
AFレンズを使用している場合:カメラのフォーカスモードセレクターをMにしてください。レンズにフォーカスモード切り換えスイッチがある場合は、レンズ側のフォーカスモードもMにしてください。
-
AF‑Sレンズやフォーカスモード切り換えスイッチのあるAF-Pレンズを使用している場合は、レンズのフォーカスモード切り換えスイッチをMにしてください。カメラのフォーカスモードセレクターを切り換える必要はありません。
-
-
マニュアルフォーカスレンズを使用する場合:マニュアルフォーカスレンズを使用すると、常にマニュアルフォーカスで撮影できます。
ピントは、レンズのフォーカスリングを回して、ファインダー内のメインの被写体がはっきり見えるように合わせます。
必ずカメラのフォーカスモードセレクターをMにしてください。フォーカスモードセレクターがAFのままマニュアルフォーカスをすると、カメラやレンズの故障の原因になります。
フォーカスエイドによるピント合わせ
マニュアルフォーカスで撮影するときは、ファインダー内および画像モニター内のピント表示(●)でピントが合っているかどうかを確認できます。
-
ピントが合うとピント表示(●)が表示されます。
ピント表示
意味
(点灯)
被写体にピントが合っています。
(点灯)
目的の被写体よりも手前にピントが合っています。
(点灯)
目的の被写体よりも後方にピントが合っています。
(点滅)
ピント合わせができません。
-
オートフォーカスの苦手な被写体(オートフォーカスの苦手な被写体について)では、ピントが合っていなくてもピント表示(●)が点灯することがあります。ファインダースクリーンの像でピントが合っていることを確認してください。ライブビュー撮影時は拡大表示してピントが合っていることを確認してください。
-
ピント合わせがしづらい場合は、三脚のご使用をおすすめします。
AF-Pレンズを使ってマニュアルフォーカスでピントを合わせるときに、ファインダー内のピント表示が点滅した場合、それ以上同じ方向にフォーカスリングを回しても、ピントは合いません(ライブビュー撮影時には、画像モニターのフォーカスポイントが点滅します)。
距離基準マークE(①)は撮影距離の基準となるマークで、カメラ内の撮像面の位置を示します。マニュアルフォーカスや接写などでカメラから被写体までの距離を実測する場合、このマークが基準となります。また、レンズ取り付け面(レンズマウント)から撮像面までの寸法をフランジバック(②)といいます。このカメラのフランジバックは46.5mmです。
-
ライブビュー撮影時にマニュアルフォーカスでピントを合わせている場合、カスタムメニューd11[
]を[ ]以外に設定すると、ピントが合っている部分(ピーキング)の輪郭に色を付けて表示できます。 -
被写体の輪郭を検出できないときは、ピントが合っていてもピーキング表示ができないことがあります。その場合は拡大表示してピントが合っていることを確認してください。